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【第4話】外れるべくして外した道

子宮とワタシ

この物語は幼少期の性的被害が原因で女としての自分を見失い、男という性を恨み、援助交際・風俗と自殺未遂を乗り越えた女が子宮頸がんになり【子宮全摘】を控えて自らの女性性と向き合うことになった経験をノンフィクションで記載しています。

話の内容から、精神的に不安定な人や男性にトラウマがある人は閲覧をおすすめしません。

 

***

 

そのモヤモヤを誰にも言えず内に秘めたまま中学に進学した私だが、中学生になったからといって何も変わらないので期待はしなかった。

ただ憧れがあった「セーラー服」を着るためだけに学校へ行ったようなものだ。

適当な部活に入り、表では望ましい中学生活を送りながら私の心はどんどんすさんでいった。

 

そう、12歳のあの日から私の心はどんどん濃くなる暗闇に包まれていった。

 

 

その暗闇に足を踏み入れてきた女子がいる。

琴子というその女子もまた、私と似た匂いをしていていたが彼女の場合家庭環境があまりよくなく非行に走るのも時間の問題といった感じだった。

 

そんな彼女と仲良くなったのは中3の夏休み、高校受験のために通いだした短期塾だった。

何が理由でもなく私は琴子の家にちょくちょく泊まりに行くようになり、そこでは親の監視がないため夜チャリンコで出かけたりお酒を飲んだり、駅前でたむろったりするようになった。

 

塾は進学系で彼女は「私立のほうが自由だし」と願ったように私立専願で合格したが、私は最後まで冬期講習や直前講習を受けながら遊んでいた。

私は親が望む進学校に合格し、今思えば親の前ではいい子を良く演じたものだと感心する。

 

琴子との付き合いはその後も続き、というか高校に入った4月から遊び方に変化が訪れた。

どちらが言い出したでもなく、お小遣い欲しさにテレクラを始めた。

 

テレクラは今でいう出会い系サイト。

当時は電話でランダムにつながった相手と意気が合えばそのまま会い、その先は当人たちの自由…ということでパパ活みたいなものだ。

どこで知ったのか忘れたが制服を着て行って3,000円、お茶をして5,000円、キスは8,000円など相場があり、相手は20歳もいれば50歳もいる。

未成年のテレクラは違法なため、本気の出会いを求めている男は未成年だろうと電話で突然説教を始めることもあれば、未成年だけどここに電話してきた=お互い了解済みみたいな空気で世間にバレなければ問題はなく、女子高生だからという理由で現金を積む男もいた。

 

私たちは最初はお茶だけのつもりで2人組で(週末に)相手と会ったりしていたが、ある時であった男と琴子が付き合うことになり事態は変化する。

 

「とりあえず高校デビューとともにカレシもできたし~これからは別個で~」

彼女はそういうとそのカレシとよろしくするようになった。

 

私は別に彼女のことが好きでいつも一緒に行動していたわけではない。

彼女は私が道を逸れるときにたまたまそこにいて、彼女がいたから逸れるスピードが速まったただそれだけだ。

 

ちなみに琴子はその3か月後、なんとその男の友人の子供を妊娠し電撃入籍をしたがその後音信不通になり今はどうしているかわからない。

 

私はというとその後もひとりで援助交際を続け、ある日出会った雄太と名乗る男と付き合うことになった。

雄太は5歳年上で元ヤン、今思い返してもガラが悪い男だったが雄太は童貞だったらしく執拗に行為を迫られ、断り続けるも「彼女として親に紹介したい」と招かれた親のいない自宅で無常にも初体験を終えた。

出会って1か月も経っていなかった。

 

「痛がるけど血が出ないから処女は嘘だね」

「エンコー(テレクラ)してるってことはそういうことでしょ、拒否する理由もないし、さすがに(童貞の俺でも)わかるわ」

 

この言葉のせいで私は今も、あいつに処女をささげたことを、あの日口実だとはわからずに軽々しく男の自宅を訪ねたことを後悔している。

ただ私の中の「女性」という分部はとうに欠落していたため、雄太に恋愛感情などなかったし今思うほど処女を大事に感じたこともなかった。

だから当時は悲しいとか、ムカッとしたとか、処女を好きでもない男にささげたことを特段なんとも思わなかった。

 

その日以来雄太は会うたびにセックスを求めるようになり、女はこうやったらイクんだろうだの、俺はテクニシャンだの、童貞を捨てたヤリたいざかりの猿男にあるある発言を数残した。

15歳ながら、男ってバカなんだなって心の中で見下している私がいた。

 

口ではマキが好きだと言いつつも、会えばセックスしかしない男なんて信用がない。

 

私が高校生だからという理由で人目につかないホテルや自宅がいいと言うけど、結局雄太とは向こうから連絡があるたび会っていた。

そういうあいつだって、テレクラするくらいだから他にも女がいるのだろうー私はそんなことを考えながら、また援助交際に手を染めた。

処女を失ってさほど間は空いていなかったが、処女を失ったことで相手からのセックスの交渉を拒否する理由がなくなったことがのめりこむ1つの要因となった。

 

 

***

 

人間は恋愛感情がなくてもセックスができる人が大半だし、人を嫌いになろうと思えばなれるし、好きになろうと思えばなれる。

私は出会いが何であれ、好きだと問題ないと思っているのは今も昔も変わらない。

実はこの雄太という男のことも最初はこんなスタートだったけど、私はこのあとそれなりに雄太のことを好きになっていった。

別れは警察が絡むほどの大掛かりなものだったが、雄太との恋愛についてはそのうち書こうと思います。

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