この物語は幼少期の性的被害が原因で女としての自分を見失い、男という性を恨み、援助交際・風俗と自殺未遂を乗り越えた女が子宮頸がんになり【子宮全摘】を控えて自らの女性性と向き合うことになった経験をノンフィクションで記載しています。
話の内容から、精神的に不安定な人や男性にトラウマがある人は閲覧をおすすめしません。
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私は小学校を卒業するまでに3度性的被害に遭った経験があると思う。
思う、といったのは最初の1回目は記憶がないからだ。
私の人生でその1回目と、薬物乱用をして精神錯乱状態にあったときは記憶が抜け落ちている。
しかしこの1回目が性的被害であったことはほぼ確実である。
というのは、記憶がないにも関わらずそのあとの記憶の始まりは「保育園の先生が気持ち悪い」からだ。
今だから思う、その気持ち悪いは「性的に気持ち悪い」である。
最初の経験は5歳、保育園児の時に遡る。
2度目になるが、その時の記憶は抜け落ちているため何があったかはわからない。
その5歳の時を境目に自分は自分がわからなくなったというか、それ以降男という性別が嫌いだと意識的に思うようになった。
記憶があるならまだしも、記憶なないことがまた怖くてその後20年ほど経ったときに私は催眠療法を受けるか悩んだ経験がある。
結局は受けなかった。
思い出せない記憶をわざわざ掘り下げることはその時の鬱を悪化させるだけかもしれないし、記憶を消すほど辛い経験なら思い出さないほうが自身の幸せのためかもしれないと思った結果だ。
人は普通ではありえない恐怖体験をしたとき、自分を守るために記憶喪失になったりその期間の記憶を飛ばすように
もしかしたらそこには触れてはいけないのかもしれないと思い、私は現在もその時の記憶にはフタをしたままだ。
その経験は10年後も30年後も思い出すことはないだろう。
しかしその時の経験が後の私を苦しめることになったことも事実だ。
今となってはどうすることもできないが5歳を境目に私の心は壊れ始めた。
男という性別の人間を見るたび、嫌悪感を抱くようになった。
そして私は二度目の性的被害に遭う。
10歳のときだった。
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