この物語は幼少期の性的被害が原因で女としての自分を見失い、男という性を恨み、援助交際・風俗と自殺未遂を乗り越えた女が子宮頸がんになり【子宮全摘】を控えて自らの女性性と向き合うことになった経験をノンフィクションで記載しています。
話の内容から、精神的に不安定な人や男性にトラウマがある人は閲覧をおすすめしません。
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私の実家は長閑な田舎町である。
人口が少ないが故、同級生も少なく男女の壁を隔てることなく「みんな友達」「仲良し」そんな環境で育った。
そしてその日は突然やってきた。
小学4年生のある日のことである。
その男の子の両親は共働きで、同じ村の人たちでもあまり顔を合わせたことがない。
その子は親が遅くまで帰らないからか、自身も遅くまで外をうろうろするような子だった。
でも成績はいい。
成績さえよければ、親は口出ししないといった感じ。
その子の家にはよく呼ばれていたが、その日はリビングではなく「プライベートな部屋」に招き入れられた。
母親の衣裳部屋といったところだろう。
そんなに広くないその部屋には所狭しと大事そうな衣裳がかけられていて
その場所で【性的虐待】はスタートした。
性的虐待といえばほとんどの人が大人の男性と未成年を思い浮かべるのではないだろうか。
先日女性教諭が男子児童にキスをしたというニュースを見たが、実際の現場はどうだったかは公にはされない。
お金を渡してわいせつな行為をしたときは双方同意だったかもしれない。
生徒が先生を陥れるためにやったことかもしれない。
少女漫画には先生と生徒の恋愛が描かれることも多く、私の同級生も先生の子供を妊娠したと話題になったことがあるくらいなので
犯罪として扱われる内容でも本当に犯罪か、冤罪か、純粋なのかは外部の者はわからないものである。
法律では規制されている以上純粋もくそもないのだが、その幅は決して大人×子供だけではない。
子供と子供の間にも性的被害は実際に存在するのである。
時が前後するが、私は風俗をしているときにお客さんの初体験を聞いて話を盛り上げていたのだが、当時のお客さんが小学生のころ(今から20年くらい前)でも小学生同士のセックスや妊娠は普通にあったと言う。
もちろん地域柄や校風、風紀などはあると思うしそれは一部の人間であることは間違いない。
いつの時代も表面化しないだけで普通にあり得ることなのかもしれない。
話を戻して、その子から受けた性的被害というものは
「お医者さんごっこ」と称されるものでウォークインクローゼットの中で全裸にされて、身体中にマジックや鉛筆で落書きをされたり、全身くまなく観察されるといったものであった。
常に私が患者役。
それ以上のことをされた経験はないが、その回数はどんどん増えていき逆らうと友達がいなくなると思った私はただ耐えるしかなかった。
私は5年生の春に初潮があり、そのころにはもうその「お医者さんごっこ」は行われなくなったので長くても1年だったのだろう。
私のあと、もしかしたら他の女の子が被害に遭ったのかもしれない。
もしかしたら私の前にも被害者がいたのかもしれない。
今となっては何もわからないけど、その子に悪意があるのかないのかも判断できなかった私。
私は小学校低学年の時に同級生とのトラブルで警察沙汰になったこともあり、その子に限らず同級生の間では「怒らせると何をするかわからない女子」もいれば「嫌だと感じるととことんいじめる女子」もいたので
当時の私としてはできるだけ目立たずにいたかった、それにつきる。
加えて5年前のよくわからない「嫌悪感」だけが後をついて回り、「お医者さんごっこ中」は早く終わるようにひたすら心を無にした記憶がある。
幸いだったのは4年生になりお風呂にひとりで入るようになったこと。
幸か不幸かその落書き後は誰にも見られることなくその日中に消され、誰の目にも止まらなかった。
もし母親が気付いていたら、その後辛い思いをしなかったのかもしれない。
10歳の私はそれが「良くない行為」「他人に言ってはいけないこと」という認識があったが、そんなことまだ(他の人によって)繰り返されるなどと思う由もなく、ただただその経験を記憶の底に葬ろうとしていた。
なのに、6年生のとき3度目の悲劇が降りかかる。
3度目の相手は母親の会社の社長の旦那さん、知らないおじさんであった。
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