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【第7話】好きな女が欲しければ心を愛せよ

子宮とワタシ

前回の話と前後するが、雄太とは警察が絡む結末を迎えた。

 

そして雄太とのトラブルが原因で私はその場にいた京介という男と結婚した。

 

雄太とは15歳のときテレクラで知り合い、成り行きで付き合い、自分のガードの甘さで処女を失い、その後は会えばホテルに行くようになった。

雄太も私が初体験だったそうだが、その後はサルみたいにヤりたがるようになり雄太が性欲を発散したいときしか電話はかかってこなくなった。

 

雄太は5歳年上の元ヤン。

 

雄太と付き合いだしてからもエンコーを続けていた私は雄太の昔のヤンキー仲間を名乗る男に連れ去られ、犯された。

 

男は雄太の大事なものを壊して満足したからこのことは(雄太には)秘密にしてやると言ったが、ひょんなことから口論になったとき自分から雄太にこのことを話した。

 

「私は恨みを買った雄太のために犠牲になったんだよ?何とも思わないの?」

 

長いこと付き合えば情がわくもので、いやその感情は情が半分と上辺だけの恋愛感情が半分だったような気が今となってはする。

 

サトシとも並行して関係を持っていたがその気持ちはサトシに比べられないほど小さかった。

それでも事実上のカレシということもあって、雄太の気持ちを確かめる意味も込めてその男の話をした。

 

雄太はテレクラで私と出会ったからか、私がまだテレクラをしていたことについては何もい言わなかったけど(この時雄太本人も浮気をしていたことがのちに判明)、その男の名前には反応し信じられない言葉を放った。

 

「なんだ、あいつと繋がったの。あいつ背だけじゃなくアソコもデカいでしょ。気持ちよかった?」

 

「恨みを買ってるだなんてあるわけねーじゃん。あいつと寝た口実だろ?」

 

 

雄太は本当に恨みを買っている自覚はないらしく、私が意を決した告白は自分が傷つくだけに終わった。

そして同時に、私のことを本当に何とも、性欲のはけ口にしか思ってないこともわかった。

 

 

少しでも好きだと思った気持ちを踏みにじられた気分だった。

 

 

エンコーは楽しくはなかった。

というか、何をしても楽しくはなかった。

 

一応高校に行ってはいたけど、留年しない程度の単位しかとらず、部活も入らず、髪を染めては生活指導をくらったり反省文を書かされていた。

 

自分の明日も見えない日々はサトシという存在が支えてくれ、私に卒業が決まった。

 

と同時に、私は雄太に別れを告げる決心をする。

 

それまでも何度か別れ話を切りだしたことはあったが、雄太は断固としてYESと言わなかった。

 

 

雄太が仕事だと嘘をついてほかの女と遊んでいることも、ホテルに行っていることも実は途中から雄太の友人を通じて知っていたのだが、私には責める権利はなかったし私の好きという気持ちはそれを責めるほどでもなかったのを自覚していたので知らないフリをしていた。

 

でもこの時だけは違った。

 

卒業前から私はある男の友達グループとつるむようになっていたが、この男というのが私が道を逸れ始めたときに隣にいた琴子という女の旦那である。

 

 

琴子はその後無事子供を出産しママになっていて、久しぶりに連絡を取ったことからこのグループとの付き合いが始まった。

といっても琴子の旦那は国立大学出身で、そのグループにいる男全員が国立大学出身というエリート集団だった。

 

全部で10人くらいはいただろうか。

士業から誰もが知る一流企業のサラリーマン、国家公務員、私とは全く縁がなかった人種である。

 

琴子の旦那はあの日遊びでテレクラというものを利用しただけらしく、その後すぐに妊娠をしたあたり計画性が伺えたがそもそも琴子は運がいい女なんだなと思ったのを覚えている。

 

 

話がそれたが、そのグループにいたのが私の最初の元旦那、京介である。

 

琴子の旦那には「マッキーこの中で付き合うなら誰よ?」と聞かれて「そうだなーヨシくんがタイプかなー」と返したけどその話はヨシくんには届かなかった。

 

「いやぁ、京介がマッキーを気に入ってるみたいなんだよね。あいつ図体でかいけど優しいよ?一度デートしてみない?」と言われたのが京介との始まりだ。

 

私は小柄なヨシくんが好みだったのに正反対の京介とのデートが琴子の旦那によってセッティングされた。

 

 

高校を卒業したある日、雄太は電話に出なかったので別れようという旨のメールを送ったら電話があり喧嘩になった。

 

雄太は元ヤンで怒らせたらちょっと面倒な人間でもあったのでなるべく冷静に話をした。

 

「3年間ずるずる付き合ってきたけどこのまま関係を続ける意味はないと思った、私は高校を卒業したし自分がしたいことをするからもう終わりにしよう」

 

なぜか私がぞっこんだと思っていた雄太はもちろん怒った。

「俺はマキと結婚したいと思っている、でも高校卒業は待たないといけないと思ったから我慢していた」

 

 

そんなこと、18歳の私にもその場しのぎの嘘だと分かった。

 

 

「でも、エッチしなかった日はないじゃん。会えばホテルだったじゃん。1時間しかない日は車だったじゃん。私がエンコーしていても何も言わなかったじゃん。でもって自分だって浮気してるじゃん。ふざけないでよ。こんなんで、結婚なんてありえないからマジやめて」

 

 

雄太は言った。

 

「今から金属バットで殴り殺してやる。そこで待ってろ」

 

 

 

 

私はその瞬間一気に「男性が怖い」という気持ちがぶり返して気が気じゃなくなった。

 

雄太の元ヤン仲間を名乗る男に犯られるなんて比じゃない。

 

雄太は喧嘩や護身用といって車のトランクに金属バットを隠し持っていることも知っていたし過去に何度も警察のお世話になっている人間だったので、本当に殺されると思った。

 

偶然その時は自宅にいなかったがその後母親に電話をして家の前を確認してもらったら黒い車が家の前に停車してヘッドライトを家に向かって照らしているとのことだった。

 

母親には事情を話し、その日は帰らなかったがその件があってから雄太は別人のように優しくなった。

 

 

 

先日は突然の出来事で気が動転した、これまでごめんと3年間の自分の行いを反省し、頻繁にメールや電話をくれるようになり、会ったときには車から金属バットも消え、遊園地やドライブへ連れて行ってくれるようになった。

 

当たり前のように手をつないで街を歩くようになり、私の気持ちを確認してからしかホテルに行かなくなった。

 

私しか経験がないのでセックス自体は上手くはなかったが、それでも私のことを気にしている様子が伺えた。

 

最初からこんな関係が築けていたらよかったのに、でももう遅かった。

 

 

 

 

再度別れ話をするときは、また自分が怖い思いをするかもしれない。

そう思った私は京介に事情を話して、別れ話をするときにそばにいてほしいとお願いをしたら京介はあっさりOKしてくれた。

 

京介はスポーツ万能、小さいころから成績は学年トップで国立大学に進学し一流企業に入社した「遊び」を知らない真面目人間だった。

 

雄太とは正反対で、「金属バットを持ってきたら警察を呼べばいしこっちは被害者なのだから何も怖がることはないよ、それに俺が守るから」と言って私を安心させてくれた。

 

京介は私より40cmも身長が高く、無駄にでかいだけじゃないんだと失礼ながら思った。

 

ただ正論を言うところは少々世間知らずなのかもしれない。

世の中いつ我が身に災いが降り注ぐかわからないだなんて考えたこともなさそうな顔をしていた。

 

 

 

そして私の自宅の近くに停めた京介の車内から雄太に別れ話の電話をかける。

 

雄太はたちまち怒った。

 

「俺のどこが気に入らないんだ!」

「私に雄太への気持ちがもうなくなったの」

「俺はこんなに好きなのに!」

 

 

 

雄太は自分基準で物事を考える人間だったのでそもそも話がかみ合わなかった。

 

そこで京介が動いてしまった。

 

京介は私から電話を取り上げ別れたがっているんだから別れたらどうなんだと詰め寄った。

そんなことをしたら雄太がキレるだけなのに。

 

 

案の定雄太はますます怒った。

「お前は誰だ?マキの新しい男か?おいこらマキ!浮気したのか?!」

 

 

そして雄太の例のセリフがまた飛び出す。

「殺してやる、今すぐ殺しに行ってやる。気持ちが通じないならマキを殺して俺も死ぬ」

 

一方的に電話を切られ、私は泣き始めた。

 

 

 

京介はそんな私の腕を掴み運転席の自分の自分のほうへ引き寄せ言った。

 

「俺が守るから、絶対。怖い思いはさせないよ。だから俺の傍から離れないで」

不覚にもキュンとしてしまった。

 

心理学で、恐怖や不安を強く感じる場所で出会った男女は恋愛感情を抱きやすくなる吊り橋効果というものがある。

 

京介とは本当に友達で、琴子の旦那のデートセッティングのあとは一度食事に行ったのみで肉体関係はもちろん、手をつないだこともなかった。

だからか余計にドキドキしたのだろう。

 

エンコーがブラックだとしたら京介との出会いは完全にホワイトで、私の過去も何も知らないこの人は私に好意を持ってくれていて私はもしかしたらこの人がきっかけで「普通の女の子」になれるかもしれないという思いが沸いて、身を委ねた。

 

 

 

そのまま車で逃げる方法もあったが雄太は私の自宅を知っているのもあって得策ではないと判断した京介。

 

本当に来たら俺が話をつけるから、と言いながら震える私を抱きしめていてくれたけど、しかし待てど暮らせど雄太は現れなかった。

 

 

 

その後、雄太の異常行動が始まる。

 

ランダムで自宅前に止まる雄太の黒いセダン。

 

家に届く差出人のない郵便。

封を開けると、思いのたけが綴られていた。

 

 

メールではなく、その後ちょくちょく郵便が届くようになった。

郵便には私と出会ったときのこと、私との思い出、自分が今思っていること

 

そして私への憎しみの言葉が連ねられていた。

 

 

 

元ヤンで私をセックスの対象としてしか見てこなかった雄太が壊れ始めている。

 

(時系列としてはこのころに、サトシに一方的な別れを告げられて余計に京介に依存するようになった)

 

当時は今のようにストーカー規制法がなかったため、自分にはどうすることもできなかった。

何度も家の前に車を停めてパッシングをされたりもしたので母親が警察に電話をしたこともある。

 

 

でも警察の答えはいつもこうだった。

 

「被害が出ないと動けないので」

「男女間のもつれもよくあるので仲裁に入ることはできません」

 

実際に私や家族に危害が加えられることはなかった。

手紙が届いたり家の前で待ち伏せされる、でも実際に話しかけられることはない。

 

恐怖は嫌というほど感じていたが私からは一切アクションを起こさなかったので雄太はずっと待っていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

待ち伏せ行為が半年ちょっと続いたころだろうか。

 

京介と私は恋人同士になり、私を心配して毎日仕事帰りに私の自宅に寄ってくれるようになっていた。

 

両親はこれまでの私の友人らしからぬその振る舞いをすっかり信用し、京介もまた家族のように溶け込んでいった。

 

 

多分そこにいた全員が口には出さないが”結婚”を意識していた。

 

 

 

そして雄太とも縁が切れるときがやってきた。

ある寒い日大きな箱の宅急便が自宅に届く。

発送元は雄太の実家だった。

 

おそるおそる箱を開けると、大小の熊のぬいぐるみと手紙が一通入っていた。

この熊のぬいぐるみは、昔雄太の部屋に私が飾ったものだった。

 

 

手紙にはこう書かれていた。

「マキへ これで最後にします。今まで迷惑をかけてごめん、マキがいないと生きている意味がないので死にます。さよならありがとう 雄太」

 

 

特に何も思わなかった。

 

 

もしかしたらフェイクかもしれないし、本当に死ぬのかどうか知らないけど、私にとっては他人の人生。

 

性的被害を受けて女という自分が嫌いになってもがき苦しんで、どんなことをしても自分からは逃げられなかった私が出した結論は【なあなあでも生きる】

 

 

この時の辛さはエンコーが紛らわしてくれていたので具体的に死にたい気持ちを行動に表すことはなかったが、エンコーをやめて徐々に前を向き始めた私にとって負の感情は足かせでしかなかった。

 

だから手紙は見て見ぬふりをした。

 

 

 

しかし雄太と完全に縁が切れたのはそれから3年経ったあとである。

 

宅急便のあと何の音沙汰もなくなり、私は京介の妻となった。

実家を出て新しい住まいに引っ越したあと、実家にまた差出人不明の郵便が届いた。

ピンクの花柄の、可愛い封筒だった。

 

 

母から連絡を受け実家に帰省したときに封を開けてみると、こんなことが書かれていた。

 

 

「マキ、久しぶり。元気にしてる?マキにふられたあと死のうとしたけど、死ねなかったんだよね!今はもうふっきれているから、今度は友達として会えたらいいなと思う。いつでも連絡してくれな! xxx‐xxxx‐xxxx」

 

手紙には満面の笑みでこっちを見つめる雄太のプリクラが貼られていた。

 

 

 

人間はそんなもんだろう。

 

しかし雄太は他人の気持ちを考える脳の部位が欠損している。

関わるとロクなことがない人種なのでその手紙はそっとごみ箱に入れた。

 

こうして雄太と私の縁は完全に切れた。

 

 

***

 

 

余談

 

雄太と私は童貞×処女だった。

だけど私はサトシに出会ってサトシの好みに育てられる中で「男が喜ぶアラカルト」なるものを学んだ。

 

ただ腰を振るしか能がなかった雄太はそれにハマったようだった。

 

今でも言える。

私は後にも先にもサトシの前でしか「心身裸の自分」を見せていない。

今の夫でさえ私の肉体を知っていても裸の心は知らない。

 

私はサトシに対して積極的に性を開放した結果、心身気持ちいいセックスを経験することができた。

 

高校生ながら大人の一般女性以上に開発された身体も手に入れた。

 

 

だけど雄太が相手では全く気持ちよくなかった。

だから実は、早くセックスが終わってほしくイッたふりをよくしていたのだ。

 

サトシに教え込まれたように喘ぎ方から視線から、まるでAV女優のように演技をすると雄太はころっと騙された。

その演技は我ながら迫真で、イッた後までが演技だったため雄太はいつもこんな風に言ってきた。

 

「マキもうイッちゃったの?そんなにいいの?俺じゃないとダメな身体になっちゃったね。もう離れられないだろ?」

 

ぐったりとしながら雄太の向こうの壁に焦点を合わせ【ちょろい男だな】と心の中で呟いた。

 

 

私は演技は肯定派だ。

セックスで本当に気持ちよくなるにはある程度相性や男女ともに開発が必要だから、絶頂はなかなか至難の業だと思っている。

 

もちろん、バレバレな演技はNGだけど気分を盛り上げたり相手を傷つけないための演技はむしろ必要だと思っているし、私も演技されたい。

 

しかし雄太の場合それが完全に裏目に出てしまい、雄太は童貞を卒業して数か月でAV男優気取りのセックス自慢男になってしまった。

当時は特に愛撫もなく挿入して腰を振るだけのセックスが苦痛でしかなかったからそれが申し訳ないとは思っていない、むしろ対等だと思う。

 

今思い返すと可笑しな話だが、1時間程度のセックスで私は30回くらい絶頂に達していた(演技をしていた)と思う。

 

実際に1時間で30回絶頂に達することは不可能ではないが、相手にもよるし、普通の女性はまず不可能だし、よほど開発されていないと30回は難しいだろう。

 

(お互い)無知というものは怖い。

 

そんな演技をしてしまったものだから私は毎回30回程絶頂に達する演技をするハメになり、身体は楽だったがなんとも複雑な気分であった。

 

 

男性は自分の技で目の前の女性がイくと嬉しくなったり優越感や支配欲が満たされる生き物だが、偽の達成感で上から目線の言葉を放つ雄太は今思えば可哀そうである。

 

その後どんな人生を送っているのかは一切知らないが、性はオープンにはできないためこのような(思い込みをしたり勘違いをする)男はたくさんいるのだろうと思う。

 

それは後の風俗勤めでも嫌というほど味わった。

 

本当に相手を愛しているなら、相手の身体だけでなく心まで愛すことで「お互い心身気持ちのいいセックス」が可能にある。

 

興味がある人は、このブログを書き続けるうちにその方法についても記そうと思うのでご覧あれ。

 

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